一人親方の老後は年金だけでは危険?今すぐ始める5つの備えと節税術
業務効率化2026年4月13日7min

一人親方の老後は年金だけでは危険?今すぐ始める5つの備えと節税術

岡部
監修者
岡部
代表 / 経営・M&A・AI経営
千葉
監修者
千葉
AI導入支援
岡部岡部

「体力が落ちて現場に出られなくなったら、自分の年金はどうなるんだろう」。現場一筋できた一人親方ほど、ふとこの不安がよぎるものです。

千葉千葉

分かります。私が相談を受けるときも、老後のお金の話は皆さん漠然とした不安のまま止まっていることが多いです。

岡部岡部

そうなんです。一人親方が加入できる公的年金は国民年金だけ。会社員のような厚生年金の上乗せがないので、老後の受給額はどうしても少なくなります。

厚生労働省のデータによれば、国民年金のみの受給額は満額でも月額約6万8千円程度(令和6年度)にとどまる。実際には保険料の未納期間などがあり、平均受給額は5万円台というケースも珍しくない。家賃・食費・医療費を考えれば、この金額だけで老後の生活を支えるのは現実的に難しい。現場の仕事は体が資本だが、その資本が衰えたときに備えがなければ、老後破産のリスクに直面する。だからこそ、今のうちに「攻めの備え」を組み立てておく必要がある。

一人親方の老後はなぜ厳しいのか

千葉千葉

そもそも会社員と一人親方とで、年金の仕組みがどう違うのか、あらためて整理してもらえますか。

岡部岡部

会社員は国民年金に加えて厚生年金にも加入するので、老後は2階建てで年金を受け取れます。一人親方を含む個人事業主は、1階部分の国民年金だけなんですね。

千葉千葉

たった1階分の差でも、何十年という単位で見ると、けっこう大きな金額になりそうですね。

岡部岡部

そのとおりです。30年、40年という長い期間で積み重なると、数千万円単位の受給額の差になって現れます。「国がなんとかしてくれる」という前提を一度捨てて、自分で2階建て、3階建ての年金を作るつもりで動くことが大事です。

国民年金と厚生年金の生涯受給差
国民年金(一人親方)厚生年金(会社員)
加入区分 第1号被保険者 第2号被保険者
老後の受給額× 月額約6.8万円(満額) 国民年金+厚生年金
支払額 定額・月額16,980円 給与に応じた比例制

小規模企業共済で節税しながら退職金を作る

岡部岡部

一人親方にとって最強の味方が「小規模企業共済」です。経営者のための退職金制度で、掛金は全額所得控除の対象になります。

千葉千葉

掛金の自由度も高いんですよね。私が案内するときも、無理のない額から始められる点は評判がいいです。

岡部岡部

月額1,000円から70,000円まで、500円単位で自由に設定できます。売上がいい月は増やして、厳しい月は減らす。この柔軟さが続けやすさにつながっています。

例えば月額5万円、年間60万円を積み立てた場合、所得税率が20%の人なら年間12万円もの節税効果が期待できる。受け取るときも、退職金として受け取れば退職所得扱い、廃業時に受け取れば公的年金等控除が適用され、税負担が抑えられる設計になっている。浮いた税金をさらに他の制度に回せば、老後資金は雪だるま式に増えていく。

小規模企業共済の効果イメージ
全額掛金の所得控除所得税・住民税がその分軽くなる
年12万円節税効果の例月5万円積立・所得税率20%の場合
月1,000円〜掛金の下限70,000円まで500円単位で自由設定

iDeCoで"自分年金"を運用する

千葉千葉

iDeCoも老後資金の定番ですが、小規模企業共済とは何が違うんでしょうか。

岡部岡部

iDeCoは自分で運用商品を選んで積み立てる制度です。国民年金基金や小規模企業共済と併用できるのが特徴ですね。

千葉千葉

運用益が非課税になるという点は、投資に慎重な方にもぜひ伝えたいポイントです。通常は投資の利益に約20%の税金がかかりますから。

岡部岡部

そうなんです。掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税、受け取るときも公的年金等控除や退職所得控除が適用される。三重に優遇されている制度です。

ただしiDeCoは60歳まで原則引き出しができない。老後資金を強制的に守れるという意味ではメリットだが、急な出費には対応できない。生活防衛資金をあらかじめ確保したうえで始めるのが鉄則である。

少ない負担で厚くする「付加年金」と「国民年金基金」

岡部岡部

もう少し手軽に公的年金を厚くしたいなら、付加年金という制度もあります。

千葉千葉

付加年金は金額が小さい分、始めるハードルも低そうですね。

岡部岡部

国民年金の保険料に月額400円を上乗せするだけで、将来の受給額が「200円×納付月数」分増えます。たった2年で元が取れる、非常に効率のいい制度です。

国民年金基金は国民年金にさらに上乗せできる公的な制度で、掛金は全額所得控除の対象となり、終身年金として一生涯受け取れる安心感がある。ただし一度加入すると原則として途中でやめることができないため、長期的な収支計画を立ててから加入を判断する必要がある。

老後資金を厚くする組み合わせ方
  1. 付加年金を申し込む :: 月額400円で将来の受給額を確実に増やす
  2. 小規模企業共済を始める :: 無理のない掛金から節税しつつ積み立てる
  3. 余裕が出たらiDeCoを検討する :: 運用益非課税のメリットを活かす
  4. 長期計画が固まれば国民年金基金も検討する :: 脱退不可な点を理解した上で

まとめ:今すぐできるアクションプラン

千葉千葉

整理すると、まず小規模企業共済に加入して、月額400円の付加年金も申し込む。余裕があればiDeCoを検討して、確定申告でしっかり控除を受ける。この順番ですね。

岡部岡部

そのとおりです。一人親方の老後は、誰かが自動的に守ってくれるものではありません。でも制度を正しく理解して賢く活用すれば、会社員以上の資産を築くことも十分可能です。

老後の備えは早ければ早いほど有利に働く。まずは月々数千円からでもいい。今日という日を、将来を大きく変える第一歩にしてほしい。迷ったら、最寄りの商工会議所や税理士に相談し、自分に合ったプランを一緒に設計してもらうのがいい。

#一人親方#年金#老後資金#社会保険#節税

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